使用済み自動車用鉛バッテリーのフロー推定

論文
平井 康宏; 酒井 伸一 (2006) 廃棄物学会論文誌, 17(6): 404-415

自動車用鉛バッテリーのリサイクル・廃棄フローモデルを作成し、インターネットアンケート調査から退蔵バッテリー残存率関数を定め、静脈フローを推定した。補修用バッテリー販売時の廃バッテリー回収率は、ガソリンスタンド・整備業では10割に近く、カーショップで約8割、ホームセンターで約5割、平均回収率は85%で、約230万個/年が未回収と推定された。不要となった後も家庭内で保管(退蔵)されるバッテリーのストック数は約500万個、平均滞留年数は約2.2年と推定された。これらの結果と統計等を元に推定した2003年度の不要バッテリーのリサイクル率は、精錬業で原料利用した国内再生率84%、国内解体率87%(解体後に得られる巣鉛の輸出を含む)、中古バッテリー輸出を含む国内回収率89%であった。残る11%は、中古車上の車載輸出(約5%)、焼却・埋立、不法投棄、退蔵純増に至ると推定された。

Keywords:

回収率; 退蔵; 鉛蓄電池; アンケート; 輸出
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