14C 法による都市ごみのバイオマス度測定

講演予稿
平井 康宏; 酒井 伸一 (2011) 第6回日本LCA学会研究発表会講演要旨集, pp. 320-321

日本の温室効果ガス排出インベントリの作成においては、ごみ組成中のプラスチック割合や繊維中の石油由来合成繊維割合をもとに、ごみ焼却からの化石由来CO2 排出量が算定されている1)。一般廃棄物中のプラスチック割合は、自治体のごみ組成分析調査結果に基づくが、調査手法の精度などの点で課題がある。化石由来CO2 と生物由来CO2 とを区別する方法として、炭素同位体比率に基づく測定法が開発されており、米国ではASTM D6866 として標準化され、バイオマス燃料の真贋証明などに用いられている2)。本法をごみ焼却炉からの排ガス試料に適用することが期待されるが、日本の廃棄物焼却炉排ガスに対する測定事例は見あたらない。そこで、日本の廃棄物焼却炉排ガスに対する、炭素同位体比率に基づいたバイオマス由来(化石燃料由来)CO2 測定を行い、本手法の有用性について検討した。また、資源作物などの短寿命バイオマスを想定した測定法を、木くずなど長寿命バイオマスを含む廃棄物に適用する際には、1950-1960 年代の大気核実験による14C 濃度への影響を考慮することが必要となる。そこで、バイオマス度算定の基礎情報として、ごみの組成別に14C を測定した。

Keywords:

バイオマス度; 放射性同位体; 都市ごみ; 温室効果ガス; 新エネ等電気利用法

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