東日本大震災により生じた津波堆積物の化学性状の解析

講演予稿
滝上英孝; 小口正弘; 浅利美鈴; 吉岡敏明; 大迫政浩; 酒井伸一 (2012) 第21回環境化学討論会講演要旨集, pp. 134-135

【はじめに】
平成23 年3 月に発生した東日本大震災では,地震に伴う津波により,陸上に土砂・泥状物等(津波堆積物)が大量に堆積している。津波堆積物の主成分は,水底や海岸の砂泥等であると考えられるが,津波により倒壊した家屋や事業所等の残骸や流出物に由来する紙くず,木くず,金属くず,廃プラスチック類等と混然一体となったもの,油類を含むもの,腐敗,乾燥により悪臭や粉じんの発生が懸念
されるものなど,その組成や性状は様々である。また,被災地に立地する事業所から漏えいした農薬や酸・アルカリ等の有害な薬品等,有機物や有害な化学物質が混入している可能性もある。よって,津波堆積物の中には,放置されると公衆衛生上や生活環境保全上の懸念が生じるものも含まれると考えられ,それらは迅速に撤去し,有効利用可能なものは有効利用を優先しつつ,有効利用できないも
のについては適切な処理を行う必要がある。
本発表では、津波廃棄物発生地域で採取した津波堆積物を採取して,化学的性状について分析調査を行った結果について述べる。

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