建築廃木材中の14C 比率推定

講演予稿
瀬田寿一郎; 平井康宏; 酒井伸一 (2012) 第23回廃棄物資源循環学会研究発表会講演論文集, pp. 101-102

1.研究の背景と目的
低炭素社会と循環型社会の実現のために、プラスチックごみの分別リサイクルなど廃棄物分野で温室効果ガス削減の取り組みがなされている。これらの効果を定量的に把握するためには、ごみ焼却炉から排出される化石由来CO2 と生物由来CO2 の割合を算出する必要がある。その方法として、化石由来炭素は14C を含まず、生物由来炭素は成長した時期の大気中14C を吸収していることを利用して、炭素中の14C 比率からバイオマス炭素比率を推定する方法が米国および欧州で規格化されている1,2)。これらの規格では生物由来炭素中の14C を現代の大気中14C に等しいとしており、1950 年代に始まった大気核実験による一時的な14C 濃度の上昇(図1)を考慮していない。資源作物であるトウモロコシ・サトウキビなど短寿命バイオマスへの適用には問題ないが、木材などの長寿命バイオマスへ適用する際には補正が必要である3)。そこで、大気核実験中に成長した樹木を使用していると考えられる建築廃木材を対象に14C比率を推定した。

Keywords:

二酸化炭素; 14C; 建築廃木材; バイオマス
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