廃棄物関連試料の放射能分析に係る精度管理およびクロスチェックについて(1)

講演予稿
滝上英孝; 山本貴士; 鈴木剛; 竹内幸生; 田野崎隆雄; 大迫政浩; 貴田晶子; 酒井伸一 (2012) 第23回廃棄物資源循環学会研究発表会講演論文集, pp. 125-126

1.はじめに
 震災起因の様々な媒体の放射能分析に関して、自治体その他原子力災害対策に対応する機関は、文部科学省が定める「放射能測定法シリーズ」、環境省が定める「汚染状況調査方法ガイドライン」及び「放射性物質濃度等測定方法ガイドライン」等に準じ、ガンマ線核種分析装置を用いて、採取試料中の放射性核種の定性・定量をすることが求められている。食品などのガンマ線核種分析が日常的に実施されるようになったが、ゲルマニウム半導体検出器及びNaI(Tl)シンチレーション検出器などの、それぞれの仕様、測定環境及び操作手法、測定媒体毎に異なる物理化学的性状や濃度レベルを考慮し、適切な放射能分析を行わなければならない。
 演者らは廃棄物関連試料(土壌及び焼却灰関連試料等を対象とする)の機関間照合試験(以下、クロスチェック)を通じて、当該試料の取扱い、機器の取扱いその他測定操作に関して留意すべきことなど、精度管理上の留意事項等を抽出整理し、精度改善のための対応策とのその現実的運用について順次検討を進めている。ここでは、土壌および焼却灰関連試料中の放射性セシウムを対象とした核種濃度分析について、国内の分析機関によるクロスチェックを実施し、測定データのばらつきやその原因を調査した結果を報告する。測定データのばらつきは、機関内および機関間でそれぞれ解析して、試料性状、分析前処理操作の有無や検出器の違いとの関連性を評価した。

Keywords:

放射能測定; クロスチェック; 土壌; 焼却灰; スラグ
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