循環指標に関するアンケート調査の手法間結果比較と傾向スコア法を用いた補正のための共変量の探索

講演予稿
桜井 健太; 平井 康宏; 浅利 美鈴; 酒井 伸一 (2012) 第23回廃棄物資源循環学会研究発表会講演論文集, pp. 55-56

1.研究背景と目的
 循環型社会形成推進基本計画の取組指標の一つに、「循環型社会形成に向けた意識・行動の変化」がある。この指標では数値目標として、廃棄物の減量化、循環利用、グリーン購入について90%以上の人が意識を持ち、50%以上の人が具体的な行動を取ることが掲げられており、インターネットでのアンケート調査(以下、インターネット調査)で実態が把握されている。しかし、インターネット調査は標本の代表性に問題があることが指摘されており、郵送調査や訪問調査などの従来型調査と比較すると、調査結果の信頼性に疑問が残る。近年、標本の代表性に関する問題を解決する方法として傾向スコア法1)が注目されてきた。傾向スコア法とは、性別、年齢などの個人の属性(共変量)項目を調整することで、ある標本での調査結果から異なる標本での調査結果を推定する手法のことである。過去の研究2)では、共変量項目として年齢、性別を利用することで精度の高い推定が行えること、インターネット利用頻度を使用することは不適切であることなどがわかっている。
 そこで本研究では、(1)調査手法の違いが調査結果にどの程度の違いを与えるのかを明らかにすること、(2)傾向スコア法による調査結果の推定に必要な共変量項目を明らかにすることを目的とした。

Keywords:

傾向スコア法; 共変量; 循環指標; アンケート調査
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