解体調査に基づく使用済自動車の資源性及び有害性に関する考察

講演予稿
渡辺 永幸; 室井 隆徳; 矢野 順也; 酒井 伸一 (2013) 第24回廃棄物資源循環学会研究発表会講演論文集2013, pp. 195-196

1.はじめに

 日本の自動車保有台数は約8000万台にのぼり、年間約500万台が生産される自動車大国である。自動車は廃棄段階で年間約350万台発生しており、2002年に公布された「使用済自動車の再資源化等に関する法律」において、廃棄段階の自動車は、使用済自動車(End-of-Life Vehicle、以下ELV)と定義されている。ELVは重量ベースで約70~80%が金属で構成されており、循環型社会形成の観点から適切な処理及びリサイクルが必要である。
 本研究では、従来自動車及び次世代自動車の違いに留意して、資源性物質・有害性物質の定性定量的な把握により、ELVリサイクルシステム構築を検討するに資する情報の蓄積を目的とする。具体的には、自動車用電子基板及び次世代車の駆動用モーター磁石に添加されているレアメタルや内装材が含有しているPbといった有害物質を対象に、従来自動車及び次世代車を実際に解体することで資源性及び有害性に関する一次データを獲得した。

Keywords:

使用済自動車(ELV); 解体; ベースメタル; レアメタル; 有害物質
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