食品廃棄物のリデュース・リサイクルによる都市廃棄物処理戦略に関する展望

一般記事(査読なし)
酒井 伸一; 矢野 順也 (2014) 廃棄物資源循環学会誌, 25(1): 55-68

食品廃棄物の3Rに対する取り組みは国内外で近年目まぐるしく展開されている。本報では食品廃棄物の定義や発生量等について国内外の現状を整理し、リデュース・リサイクルのLCAに関する複数の研究事例から定量的な効果を総合的に検討した。加えて老朽化が進んでいる国内の焼却施設の施設更新に伴う都市廃棄物(MSW)処理戦略として、食品廃棄物の嫌気性メタン発酵の導入による国内のエネルギー回収、温室効果ガス削減ポテンシャルを推定した。食品廃棄物のメタン発酵バイオガス化発電とその他都市廃棄物の高効率焼却発電を組み合わせることで、2011年現在と2020年には37%、2030年には64%の発電電力量増加が期待できる。現在未利用の家庭系をはじめとするMSW中の食品廃棄物のメタン発酵利用は、特に焼却発電が難しい規模の中小都市にとっては重要なエネルギー回収、温室効果ガス削減手段となることが期待できる。

Keywords:

食品廃棄物; リデュース; リサイクル; メタン発酵; 温室効果ガス
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