使用済み自動車部材および車内ダスト中の難燃剤等の調査(第4 報)

講演予稿
梶原 夏子; 滝上 英孝; 小瀬 知洋; 鈴木 剛; 酒井 伸一 (2015) 第24回環境化学討論会要旨集, pp. 2C-02

【はじめに】
 自動車に使用される化学物質のうち、車室内で人へ曝露する可能性のある懸念物質としては、POPs 条約の対象である臭素系難燃剤に加え、他の難燃剤やフタル酸エステル類を含む様々な樹脂添加剤や揮発性有機化合物、有害金属類等が挙げられる。フタル酸エステル類は、主にポリ塩化ビニル(PVC)などのプラスチックやゴムの可塑剤として建物や自動車の内装材としても幅広く使用されていることから、内装材に添加されたフタル酸エステル類が車内ダストに移行し、ダストを介してヒトに取り込まれるリスクが懸念される。有害重金属類のうち、Pb、Hg、Cd、Cr+6 は欧州ELV 指令により自動車の部品・材料中の最大許容濃度が定められているが、これまでに自動車内装材中のこれら重金属類等の含有実態についての報告例は乏しい。
 そこで本研究では、これまで実施してきた臭素系難燃剤1)およびリン系難燃剤2)の調査に引き続き、フタル
酸エステル類のうち未規制物質を含む10 物質および有害重金属類やレアメタル等17 元素に着目して、自動
車内装材および車内ダスト中の含有量を把握することを目的とした。

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