廃棄物の発生抑制政策に関する欧州と日本の比較

一般記事(査読なし)
酒井 伸一; 矢野 順也 (2015) 廃棄物資源循環学会誌, 26(4): 290-304

【要 旨】 廃棄物の発生抑制政策について,定義や指標,ライフサイクルの視点に立った抑制効果についてレビューし,欧日の取り組みを比較しつつ整理した。EUの発生抑制の定義では廃棄物の発生量だけでなく有害性の抑制も含めた定義となっていることを指摘した。発生抑制指標については,さまざまな指標が提案されているものの,データの可用性や信頼性等の課題点もあり,発生抑制計画中で実際に採用される指標は限定的である傾向が確認された。一方で,廃棄物の分類上の定義やモニタリング手法の標準化等,発生抑制の定量化に欠かせない課題が着実に議論の遡上にあがりはじめており,発生抑制策は着実に前進しつつある。発生抑制効果の定量化手法が検討されつつあることにも研究レビューとともに触れた。発生抑制策とその取組効果を整理し,発生抑制対象廃棄物や部門,取り組みの優先順位を意識した発生抑制策を提案,促進していくことが効果的と考えられる。

Keywords:

発生抑制; リデュース; 3R; 指標; 定義; 欧日比較
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