大気PCB モニタリング調査のパネルデータ分析による発生源の検討

講演予稿
橋本 匠平; 藤木 祐介; 平井 康宏; 酒井 伸一 (2015) 第26回廃棄物資源循環学会研究発表会講演論文集2015, pp. 515-516

【はじめに】

環境省のモニタリング調査1)によるとPCB の大気中濃度は減少傾向にある(図1)。モニタリング調査は全国の定点約40 箇所で夏期・冬期の年2 回、PCB 総量、同族体、異性体別(コプラナーPCB)に行われている。夏期濃度は冬期濃度と比較して、高い傾向にある。同族体別にみると濃度減少傾向の程度は異なっている。例えば2003,2008 年度では3 塩素化が最も割合が高くなっていたが、2013 年度では2 塩素化の方が3 塩素化より濃度が高い結果となっている(図2)。PCB の発生源として産業系からの排出(セメント焼成炉等)、保管中のPCB 廃棄物からの揮発といったものが挙げられる。産業系からの排出量は主にダイオキシン対策により1990 年代から2000 年にかけて大きく減少したが、2002年から2009 年にかけては、ほぼ一定となっている2)。我々は大気PCB の減少傾向には保管中のPCB 廃棄物からの揮発由来の排出量が影響していると考えている。そこで大気中PCB 濃度の温度依存性と経年変化についてパネルデータ分析を行った。

Keywords:

PCB; モニタリング調査; 同族体; 温度依存性; 経年変化
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