副産物利用を考慮したバイオ軽油製造システムのライフサイクルアセスメント

講演予稿
青木 建樹; 矢野 順也; 中村 一夫; 渡邊 晋一郎; 酒井 伸一 (2015) 第26回廃棄物資源循環学会研究発表会講演論文集2015, pp. 99-100

1.背景と目的

近年、温室効果ガス(以下、GHG: Greenhouse gas)排出量削減策として、再生可能エネルギーであるバイオ燃料の普及が求められている。京都市では、平成9 年度から廃食用油を回収し、バイオディーゼル燃料(以下、BDF: Biodiesel fuel)化し、ごみ収集車や市バスに利用している。しかし、従来の脂肪酸メチルエステルからなるBDF(以下、FAME: Fatty acid methyl ester)は、使用時のNOX 除去装置の除去機能の低下等、車両適合性の問題1)が指摘されている。そのため平成24-26 年度では、接触分解法、水素化処理を用いた市販軽油に性状の近い炭化水素から成るバイオ軽油 (以下、HBD: Hydrogenated biodiesel))2)の実証試験を実施し、その環境負荷をLCA (Life cycle assessment)により評価した3)。その結果、HBD 製造・利用システムでは、軽油留分の収率が約50%であるため、副産物である重質油分、ナフサ留分、オフガス留分の利用用途が重要と考えられた。そこで、本研究では副産物の利用効果を検討するため、生ごみメタン発酵により得られるバイオガスの余剰熱をHBD 製造施設で利用し、HBD の副産物を利用した際の環境負荷削減効果をLCA により定量化した。

Keywords:

バイオディーゼル燃料; メタン発酵; バイオマス; 廃食用油; ライフサイクルアセスメント
EDIT