廃棄物の発生抑制とリサイクルの方向性-食品廃棄物とバイオマスプラスチックを中心に-

一般記事(査読なし)
酒井 伸一  (2016) 廃棄物資源循環学会誌, 27(3): 209-217

【要 旨】 食品廃棄物を含めた有機性廃棄物に対する発生抑制とリサイクルは,対策の2つの大きな柱である。食品廃棄物の発生抑制のライフサイクルベースでの環境負荷削減効果は非常に大きく,より一層の力を注ぐべき分野である。そのうえでも一定の廃棄を認めざるを得ないことも事実であり,こうした食品廃棄物に対するリサイクル方法として,バイオガス化やコンポスト利用にもっと注力していい。また,さまざまな製品素材を再生可能素材とすること,その結果として温室効果ガス (GHG) 発生を抑制することは,環境や資源的観点から重要な取り組みとなってきている。容器包装リサイクルに用いられる化石資源由来プラスチックを比較対象としたバイオマスプラスチックの利用と処理について,GHG削減効果のライフサイクルベースのシナリオ分析結果で14~20%削減できる例を紹介した。

Keywords:

食品廃棄物; 発生抑制; バイオガス化; 温室効果ガス; バイオマスプラスチック
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