Kyoto University Environment Preservation Research Center

循環型社会形成と化学物質制御のシステム解析(2021年度)

 循環型社会において、資源の循環とともに、有害物質までもが、意図せずいつまでも循環し続けることは、好ましくありません。新規製品については、代替品への切り替えや、環境放出や人体曝露を抑止した管理下での利用、既存品については、分解処理や隔離・封じ込めによるリスクの低減が求められます。そこで、循環型社会における有害物質の動きを、物質フローモデルや環境動態モデルを用いて表現し、モノのライフサイクルの記述と環境負荷の試算と実測による検証、社会的管理方法の考察等を行っています。

 本年度は、PCBsをはじめとする残留性有機汚染物質(POPs)を対象に、近年の日本国内の環境中ならびに食品に存在するPOPsの発生源の寄与割合を明らかにすることに取り組みます。POPsの発生源として、1)意図的に製造されたPOPs含有製品やそれらの廃棄物からの揮発や漏洩、2)過去に排出されたPOPsの環境内での再循環、3)セメント製造や廃棄物焼却などからの非意図的な生成、4)国外からの移流を候補とし、個々の排出量の積み上げによる推定や、各発生源に特徴的な同族体・異性体プロフィールと環境モニタリングデータとの比較・回帰分析による推定、時系列データの統計分析などにより、それぞれの寄与を明らかにすることを試みます。