Kyoto University Environment Preservation Research Center

卒業研究テーマ

物資フロー分析やライフサイクル分析の手法を用い、循環型社会形成に向けた施策の評価等を行っています。地震や津波などの災害に備えた災害廃棄物処理計画の策定は重要な施策の1つになってきました。実効性のある計画とするためには、大量の廃棄物を迅速に処理するという視点のみでなく、建築物の解体時のアスベスト飛散防止など安全性の確保も重要です。本年度の研究においては、災害廃棄物処理において安全性の観点から注意すべき製品群などを抽出し、安全性確保のための手段を検討します。特に、アスベストや家庭系有害危険物については、対象製品のフロー・ストックの推計を通じた、発生予測可能モデルの開発を目標とします。

物質フローモデルや環境動態モデルを用いて、モノのライフサイクルの記述と環境負荷の試算と実測による検証、社会的管理方法の考察等を行っています。POPs(残留性有機汚染物質)条約での対象候補物質である塩素化ナフタレン(PCNs)やペンタクロロフェノール(PCP)、臭素系難燃剤(PBDEsなど)を対象に、製造・ストック・廃棄・リサイクルの製品ライフサイクルを対象とした物質フロー推定や非意図的生成による排出量推定を行い、これら物質の環境中濃度の測定結果との比較を通じて、発生源解析や制御方策等の検討を行います。対象物質が次々と増加する一方で、排出量推定のための発生源調査や環境中濃度の測定調査に投入可能な資源は限られており、効率的な測定計画を科学的な裏付けを持って戦略的に立てることの重要性が増しています。本年度は、サンプリング計画が排出インベントリの推定精度に与える影響をモデル化し、測定によって得られる情報の価値を最大化するアダプティブなサンプリング計画の立案手法を検討します。

天然資源の消費抑制と環境負荷の低減を原則とした循環型社会の構築に向けた社会応用を図る際には、人や企業の行動が重要であり、実証確認をベースに社会行動モデルを構築し、制度設計に活用することが求められます。循環型社会形成に向けて、再使用やリサイクルに向けた設計がなされていない耐久財や製品群が多くありますが、そのなかで電池、太陽光パネルなどは機能革新や技術革新の結果、幅広い素材が用いられ、その適正な使用方法、使用後のリサイクルに向けての技術やシステムづくりはこれからです。乾電池と二次電池、太陽光パネルの多結晶、単結晶や化合物(CIS)系といった、同じ機能を提供する製品間について、製品選択や使用方法と環境負荷・エネルギー・コストとの関係についてライフサイクルの視点から検討します。

教育研究環境での実験安全管理、環境指標やエネルギー・資源指標に関する基礎研究を行うことにより、その環境マネジメントシステムや環境報告書へ応用を進める研究を行っています。グリーン・サステナブルキャンパスをめざす世界の動きを調べつつ、エネルギー・GHGの見える化・見せる化の運用システムの類型化を行います。また、大学の温室効果ガス排出量や環境負荷削減へのモデル的試行と導入効果の定量化を進め、大学構成員の削減行動シナリオとそのモデル分析を検討します。