バイオプラスチックは、「バイオマス資源を原料とするもの」、「生分解するもの」、またはその両方の特徴を備えたプラスチックの総称です。近年、地球温暖化や海洋プラスチック問題といった環境問題の解決策の一つとして注目を浴びています。バイオプラスチックの実用化にあたっては、期待される効果が適切に発揮されるのか定量的に評価する必要があります。
LCA(ライフサイクルアセスメント)は、製品の原料調達から廃棄に至るまでの環境影響を包括的に評価する手法であり、バイオプラスチックの環境影響の評価にも広く用いられています。
当研究室では、PLAやPHBHといった生分解性のバイオプラスチックを廃棄物処理システムに導入した場合の環境負荷削減効果について、LCAを用いた定量化を実施しています。解析にあたっては、過去に実施されたごみ細組成調査の結果といったなど、廃棄物に関する知見を活用しています。
一例として、2023年度に実施された、PHBH製の食品容器を対象にしたLCAの結果を図に示しました。S5(従来製品)と比較して、S1~S4(PHBH製品)のGHG排出量が小さくなっていることがわかります。また、原料や廃棄方法が変わると、GHG排出量も変化することがわかります。